新型コロナに関する弊社見解と今後に向けて

新型コロナウィルス感染症に罹患された皆様及び関係者の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。このような状況の中にも関わらず、文字通り懸命に努力されている皆様に感謝と敬意を表させて頂きます。誠に恐縮ですが、弊社においても出張の制限等も実施して、関係者の皆様にご不便お掛けしている状況となっています。

 

この度、当ページにおきまして、①現在の新型コロナウィルス感染症の弊社の見解をまず示させて頂きます。その次に、②弊社の主なお客様となっているモノづくり製造業が今後はどのような対応をしていくべきかという点を僭越ながら提言させて頂きます。外出自粛という人との接触を減らしていかなければならない一方で、生産を続けることで付加価値を生むモノづくりを続けていくべきかということに関して、弊社として検討させて頂きました。

<①現状の弊社見解>

新型コロナウィルスに関しては、細かな分析は各専門家のご意見に委ねますが、我々としては現状の数字を正確に捉えることが大事だと考えています。

下記グラフは、各国のコロナウィルスに関する情報を集計したサイトから引用しています。(https://ourworldindata.org/grapher/total-cases-covid-19

2020年の3月1日~4月15日現在の情報になります。

感染者数は各国に比べて日本は圧倒的に少ないです。100万人あたりの感染者数からも明らかです。ただし、感染者数(累計)に関して、日本は韓国に近づきつつあるものの(4月15日時点)、検査数が圧倒的に少ないように見えます。政府、医療従事者、国民の皆様の努力は勿論ありますが、各国に比べて日本だけが特別なのは不思議な気がします。そのため、「日本では感染者が検査されていないのか?」という疑問が否めません。もし検査されていない無症状感染者が多くいた場合は、いつの間にか重症・重篤者が増える大変な事態になるのでは?!という懸念されます。そこで検査の妥当性の参考になるのが、検査人数に対して、陽性者が何人いるのかという(ここでは陽性率と定義します)が参考になります。この点に関して、上記データを用いて弊社独自に分析を試みました。以下の内容になります。

各国の全体的な傾向としては、感染者が増えてくるほど、(検査が追いつかないのか?)陽性率は上がってきます。陽性率が高いということは、A感染者数が増大(飽和?)している状態、B検査対象者の選出精度が高い、C検査対象者を過度に絞っている(無症状感染者がいる)等の要因が考えられます。突発的に急増したアメリカを除き、当初から各国に比べて日本の陽性率が高いため、B又はCの要因が考えられます。日本の優れたクラスター対策が功を奏して、Bであることを願っています。ただし、感染経路不明が増えてきた4月15日の現時点では、当初の段階と別のステージになっていると思われます

以上を踏まえると、今後の日本の状態も韓国・ドイツのように検査数が増えると、感染者数も一気に増えていくという恐れも十分に考えられます。より一層の十分な警戒が必要です。

 

<②今後に向けて>

絶対に食い止めなければなりませんが、(各国の数字を見ても)今後の1~2年はこのような感染症対策として行動自粛の状態が続く恐れがあります。そういった状況が続くと、製造業にとっては、大きなダメージを受けることが想定されます。

想定される影響:

製造受注数が減る、設備・人員の余剰、工場閉鎖、解雇、設備投資の中止、縮小、廃業の増加、海外生産の縮小?!、人の介在する生産の縮小(ロボット化、IoT化の流れ)、新規設備投資の減少など※

※感染症が終息による需要の増加は一時的に過ぎず、上記の影響は大きく残る可能性も懸念されます。

 

 

今後に向けていかに対処していくべきかという点を、感染症の終息前と終息後に分けて提言します。

<終息前>

人との接触を減らしつつ、生産性を高めることが求められます。しかしながら、モノづくり(製造業)では人との接触は欠かせない作業が多いです。人との接触が考えられる作業は、以下のことが考えられます。

  • 生産スケジュールの対面調整
  • 生産指示
  • 教え込み・習熟
  • 現地・現物主義(原因追及は現場で見る、直接関係者に話を聞くなど)
  • 複数人の共同作業
  • 遅れの応援
  • ミーティング
  • 次工程への生産指示
  • 生産状況の集計・分析(生産状況の集計、棚卸し集計、決算分析、データ取込など)

など

 

できるだけ人と接触しないモノづくりの方法としては、以下のように考えられます。

特に「見える化で人に聞かなくても出来る生産に切替え!」を目指すべきです。

具体的には、

  • 教え込み・習熟の独学化(標準作業を策定して教え込み方法を統一して、習熟期間を短くする。紙もしくは動画マニュアルを利用する)
    有効なツール:動画マニュアル作成支援ソフトなど
  • 現地・現物主義の見直し(普段から生産状況の掲示等を進めて、人に聞かなくても分かる状態をつくる。IoTなどで原因追及しやすい状況をつくる)
    有効なツール:IoTツールなど
  • ミーティングの廃止(見える化を進めて行くことで、個々人で情報を取得しやすくなる。知りたい情報がとれる状況、知らなかった情報が知らされる状況を目指す)
    有効なツール:IT・IoTツール一般
  • 生産状況の集計・分析の中で、PC単純作業は自動化(作業を標準化して、単純作業はRPA等を活用して、自働化する。)
    有効なツール:RPA

 

以上となります。

<終息後>

行動自粛・規制がなくなったとしても、感染症の恐れもあり、人との接触を減らして対面でのコミュニケーションが少なくなること(ロボット化、IoT化の促進)が想定されます。また不況の世の中においては、旧設備の稼働率・生産性の向上が今まで以上に求められます。

終息前に「見える化で人に聞かなくても出来る生産に切替え!」が可能になれば、終息後も高い生産性を維持できます。ただし、見える化によって、管理・監督者が、徐々に現場から遠くなっていき、現場の声(やりにくい作業、ひやり作業など。声を出さない人もいるので、現場を見ないと分からない場合もよくある)が届きにくくなっていくことが懸念されます。弊社でも大事にしている現地現物の原点に返って、こういった現場の状況を見逃さない対策を取り組むべきです。

 

以上が弊社の現状の見解と今後に向けての提言となります。誠に僭越ながらと思いつつも、皆様が苦しい状況ですので、少しでも判断の材料に役立つことが出来ればと考え、ここで提言させて頂きました。上記の点、以前から取り組まれている企業も多いかと思いますが、より一層進めて行くことが現状では有効と思われます。そのために弊社も全力で皆様のサポートを続けていきますので、少しでもお役に立つことが出来ますと幸いです。

 

 

改善の総合商社 OIDON    代表  中野 竜司

 

 

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